第124章

夜、月城曜がまだ書斎で公務を片付けている頃、律ちゃんは一人小さな学習机に向かい、一筆一筆丁寧にその用紙を埋めていた。

母親の欄まで来ると、彼はもう躊躇わなかった。

稚拙だが真剣な筆跡で、そこに一行の文字を記す。

『僕の未来のママは、アリスおばちゃんのような名医で、芸術家です』

翌日。記入済みのその用紙は、担任教師のメモと共に、鈴木海斗の手によって月城曜の執務机へと届けられた。

『月城様、律ちゃんの家庭調査票についてですが、一度目を通された方がよろしいかと存じます』

月城曜は手元の書類を置き、その薄い紙を手に取った。

稚拙ながらもはっきりとした文字が視界に入った瞬間、呼吸が一瞬止...

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