第128章

鈴木海斗は聡明な男だ。月城曜の意図を即座に理解した。

これはまさに、根こそぎにする一手だ。

華盛(ホアション)グループは汚職スキャンダルで月城グループを叩こうとしているが、月城曜はそれに対し、より話題性が高く、社会的意義のある「盲目の子供たちによる舞踏団」というカードを切ったのだ。迫り来る悪意を、絶対的な善意で上書きするために。

そうなれば、世間の注目は健気で尊い子供たちに集まる。不透明な帳簿のことなど、誰も気に留めなくなるだろう。

そして姫野夏実は、逃げ場のない火炙りの刑に処されるようなものだ。

「承知いたしました、月城社長」

電話を切った後も、月城曜は書斎へ向かおうとはしなか...

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