第13章
「もう大丈夫です」姫野理緒の声からは、何の感情も読み取れなかった。
そう告げると、彼女は人々を避けるようにして、真っ直ぐにその場を立ち去った。
……
月城曜が目を覚ますと、窓の外にはすでに街の灯りがともっていた。
依然として視界は闇に閉ざされていたが、激痛は嘘のように消え去っていた。
指を動かしてみる。右手の掌には、まだあの淡い香りが、あるかないかというほど微かに残っているような気がした。
「お目覚めですか?」
鈴木海斗の声が横から聞こえた。
月城曜は「ああ」と短く応じ、少し掠れた声で尋ねた。「俺はどれくらい眠っていた?」
「もうすぐ五時間になります」鈴木海斗は白湯を差し出...
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