第134章

姫野夏実は深く息を吸い込み、再びタブレットを拾い上げると、狂ったように指先を滑らせた。

あの医師に直接手を出すことはできない。月城曜のガードが堅すぎるからだ。

だが、あの女が大切にしているもの、あるいは月城曜が彼女に興味を持つきっかけとなった源を破壊することならできる。

彼女の視線は、最終的にあの『夜明け』のカフスボタンの拡大写真に釘付けになった。

エーテル……。

曖昧な記憶が脳裏に浮かぶ。

数年前、裕福な友人に付き添ってある個展を見に行った際、確かこのブランドと画廊がコラボレーションしていたはずだ。

検索欄に素早く指を走らせる――「エーテル」、「Y市」、「画廊」。

すぐに一...

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