第136章

ドアが乱暴に開け放たれる。

皇美玲が部屋に踏み込むと、そこには目を閉じて苦悶の表情を浮かべる息子と、彼の頭に針を向けようとしている姬野理緒の姿があった。

「何をしているの!」

皇美玲が金切り声を上げる。

だが、姬野理緒の手は磐石のごとく安定しており、微塵の揺らぎも見せない。

彼女は振り返りもせず、全神経を指先に集中させ、ツボの下にある筋肉の脈動を感じ取っていた。

トップレベルの外科医にとって、どのような不測の事態であれ、執刀する手に影響を及ぼすことなど許されないのだ。

「出て行け」

月城曜が短く二文字だけを吐き出す。激しい頭痛が、彼から言葉を奪っていた。

「私に出て行けです...

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