第149章

月城曜の視線が、彼女の腕に残る注射痕に落ちた。瞳孔がきゅっと縮む。

言葉にしようのない恐慌と、遅れて襲ってきた戦慄が、胸の内側をがしりと鷲掴みにした。

上体を起こすと、虚脱した身体など顧みず、浅い眠りについていた姬野理绪を乱暴と言っていい勢いで腕の中へさらい取る。抱きしめる腕に力を込める。その力は、彼女を骨の髄まで自分の中に埋め込んでしまいそうなほどだった。

姬野理绪はその勢いに目を覚まし、灼けるように熱く、かすかに震える胸の中へと叩き込まれ、何が起きたのか一瞬理解できずに瞬きをした。

「月城曜、なにして――」

問いかけに、彼は答えない。ただ顔を彼女のうなじに埋め、喉の奥から搾り出...

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