第150章

応接室で、皇美玲は一枚のブラックカードを姫野理緒の前に突き出した。その態度は相変わらず、居丈高で見下すようなものだった。

「この中に二十億入っているわ。Y市から出て行きなさい。できるだけ遠くへね」

姫野理緒はそのカードに視線さえくれず、目の前の水を一口飲んだ。

皇美玲は眉を険しく寄せた。「恩知らずな真似はやめなさい。見ているでしょう、あなたのせいで今、曜は四面楚歌よ。月城グループ全体が揺らいでいるの。少しでも彼のためを思うなら、自ら身を引くべきだわ。これ以上、彼の足を引っ張らないで」

姫野理緒はグラスを置くと、ようやく皇美玲に目を向けた。

その瞳に怒りはなく、あるのは冷淡さと、微か...

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