第170章

『奇跡です! データの危機は去りました!』

姫野理緒はメールを開き、視線を走らせた。

メールによると、昨日彼女が会社を去った直後、謎のハッカーが技術部門に接触してきたという。

その相手は常識外れな手腕で、流出したすべてのデータパケットを寸分の狂いもなく迎撃しただけでなく、逆探知まで行っていた。さらには法の抜け穴を利用した技術的なトラップを仕掛け、データを窃取した企業を泥沼の特許訴訟へと陥れ、身動きが取れない状態に追い込んだのだ。

すべてのデータモデルは、1バイトの欠損もなくサーバーに戻っていた。

エミリはメールの末尾にこう記していた。

『この親切な方が誰なのかは分かりませんが、ま...

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