第174章

電話を切ると、彼は踵を返してリビングへ向かい、すぐに水と救急箱を持って戻ってきた。

濡れタオルを固く絞り、慎重に彼女の頬や首筋を拭う。その手つきはどこかぎこちないが、触れる感触はあくまで優しかった。

姫野理緒はまどろみの中で、その清涼な源へと無意識に頬を擦り寄せた。

彼女の熱を帯びた頬が、彼のかすかに冷たい手の甲に触れる。

月城曜の動きが止まった。

彼は伏し目がちに、あまりに無防備な彼女の甘えるような姿を見つめる。心臓の最も柔らかい場所を、羽毛でそっと撫でられたような感覚が走った。

薬を飲ませるのは、さらに困難を極めた。

彼女は歯を食いしばっており、スプーンで水を流し込もうとし...

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