第18章

鈴木海斗は主のただならぬ気配を感じ取り、即座に応じた。

「はい、ただちに」

「それと」

月城曜は付け加えた。

「彼女と黒崎望の関係を洗え」

黒崎望……。

アリスを見る時の、あの親しげで、どこか賞賛を含んだ黒崎望の眼差しを思い出すだけで、月城曜の胸の奥から理由のないどす黒い苛立ちが湧き上がる。

一体、二人はどういう関係なんだ?

黒崎望が彼女をうまく隠していたのか、それとも……彼女は元々、黒崎望の女なのか?

電話を切ると、月城曜は苛立ち紛れにネクタイを緩めた。

その時、荒唐無稽な考えが、混乱する思考の中から前触れもなく浮かび上がった。

あの馴染み深い香り……。

あの澄んだ...

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