第187章

深夜、姫野理緒はマンションへ帰り着いた。

履歴からあの番号を呼び出し、入力画面の上で指先を長いあいだ彷徨わせる。

結局、彼女は書いては消しを繰り返し、たった一文字だけ送信した。

「うん」

送信した後も、理緒は暗転した画面を見つめ続けた。

自分が何を期待しているのか、これが妥協なのかさえ分からない。

相手からの返信はなかった。

その奇妙な静寂は、翌朝、無残にも引き裂かれた。

叩き起こされたのは、けたたましい着信音だった。ラボの助手、ベンだ。その声は恐怖に震えている。

「アリス! ニュース見た!? 大変だ、早く見てくれ!」

理緒がパソコンを開くと、おびただしい数のニュースタイ...

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