第19章

「泥棒猫! 恥知らずが!」

皇美玲が何よりも重んじているのは、月城家の家柄と血統の純潔さだ。

月城曜の妻となる者は、姫野夏実のように家柄が良く、素性の確かな令嬢でなければならない。

そして孫の律は、月城家唯一の跡取りだ。素性の知れない人間を近づけるなど言語道断、ましてやのし上がるための踏み台にされるなど、あってはならないことだった。

姫野夏実はその様子を見て心の中でほくそ笑んだが、表面上は心配そうな表情を崩さなかった。「お義母様、そんなに怒らないでください。もしかしたら……私の考えすぎかもしれません。曜さんはいつも分別のある方ですから」

「分別? 本当に分別があるなら、夜更けに独身...

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