第197章

「見せてやればいい」

月城曜はそう言って彼女を抱き寄せると、宴会場の出口へと踵を返した。

その足取りは重厚で力強く、迷いなど微塵もない。

彼らが姿を現した瞬間、宴会場を支配していた喧噪が、まるで一時停止ボタンを押されたかのように凪いだ。

会場にいる全員の視線が、驚愕、狼狽、そして探るような光を帯びて一点に集中する。

だが、月城曜の冷峻にして反論を許さぬ表情と、その腕の中で衰弱しながらも鉄壁の加護を受けている女の姿を前に、誰一人として声をかけることなどできなかった。

数百の視線が突き刺さる中、月城曜は姬野理绪を抱いたまま、金碧輝く大広間を突き進み、衆人環視の外へと消えていく。

そ...

ログインして続きを読む