第198章

ノートの最後には、母の走り書きが残されていた。問いかけるような、殴り書きの文字。

『ウイルスは天災か、それとも人災か。その源は、おそらく藤堂家の古文書の中にある』

姫野理緒は椅子の背もたれに身を預け、瞳を閉じた。全身の血が頭に上っていくような感覚に襲われる。

藤堂家。母が死ぬまで避けてきたその場所に、まさかロフェンウイルスの根源が隠されていたとは。

彼女は即座に副官であるベンの番号を鳴らした。

「ロンドンの郊外にある藤堂家の本家、今誰が管理しているのか調べて」

ベンの仕事は早かった。三十分後には返信があったが、その結果は理緒の眉をひそめさせるものだった。

藤堂家の本家は歴史的保...

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