第199章

もはや二人の間の感情のもつれなどという次元の話ではない。数十年にも及ぶ巨大な陰謀に巻き込まれたのだ。

藤堂家の先祖が残した手記は、彼女に新たな扉を開いた。

彼女はもう、暗闇の中で手探りをする必要はない。進むべき方向は見えたのだ。

それから七十二時間、姫野理緒はほぼ不眠不休だった。

カフェインと極限の集中力が、彼女を張り詰めた弦のように変えていた。

彼女は藤堂家の理論を基礎とし、現代の遺伝子編集技術を融合させ、神経細胞を「リセット」する全く新しい薬剤の分離と合成に挑んでいた。

その過程は、まさに薄氷を踏むような緊張の連続だった。

本(ベン)は実験室の外からモニター越しに、彼女の狂...

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