第200章

スクリーンに映し出されたのは、片田舎の古びた農家だった。

色褪せたTシャツを着た女が、薬湯を匙ですくい、フーフーと息を吹きかけて冷ましては、車椅子の男に慎重に飲ませている。

男は両目をガーゼで覆い、やつれているが、その輪郭は紛れもなく失明していた頃の月城曜だ。

そして女は、姫野理緒その人だった。

手ブレの激しい映像は、明らかな盗撮であることを物語っていた。

映像の中の彼女は、口元から溢れた薬を拭い、風に乱れた彼の髪を整えている。その手つきは手慣れていて親密で、まるで献身的な妻のようだ。

会場が、水を打ったように静まり返る。

直後、抑えきれない喧騒が沸き起こった。

さざ波のよう...

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