第201章

この書斎は、彼のマンションとはまるで趣が異なっていた。

重厚なマホガニーの家具、壁一面を埋め尽くす蔵書。空気には古紙とインクの匂いが漂い、歳月の重みが沈殿している。

彼は壁際へ歩み寄ると、書棚に偽装された隠し扉を押し開けた。現れたのは、半人の高さほどある、薄っすらと埃を被った金庫だった。

その金庫を目にした瞬間、姬野理緒の心臓がドクリと跳ねた。

月城曜は慣れた手つきでダイヤルを回す。「カチッ」という乾いた音と共に、重厚な扉がゆっくりと開かれた。

中にあったのは、整然と積み重ねられた分厚い封筒の束と、年号のラベルが貼られた十数冊のアルバム、そしてハードディスクだけだった。

月城曜は...

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