第203章

彼女の瞳に宿る、学者特有のあの自信に満ちた輝き――。

それを見つめていると、裏切りと包囲網によって胸の中に渦巻いていた焦燥や陰りが、奇跡のように凪いでいくのを感じた。

月城曜は彼女の思考を邪魔せぬよう、静かに脇へ退くと、ある場所へ電話をかけた。

「藤堂家が持つあらゆるコネクションを駆使し、EON財団のアジア圏におけるグレーな取引ルートをすべて洗い出せ」

その声には、身も凍るような冷徹さが漂っていた。

「それから、エーテル側にも通達しろ。月城グループに全面的に協力するようにと。必要なものはすべて提供させろ」

ここは姫野理緒の戦場であり、同時に彼の戦場でもあった。

彼女が敵陣を切り...

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