第207章

箱の中には、ガラスの小瓶が静かに横たわっていた。

透き通ったガラス越しに、中で丸まっている微かに黄ばんだ紙切れが見える。

これは……ウィッシュ・ボトル?

姫野理緒の記憶が、瞬時に引き戻された。

それはある夏の夜のこと。二人は並んで庭に座り、涼んでいた。

彼女は何気なく、故郷の風習について話したのだ。願い事を紙に書き、木の下に埋めれば、その願いは叶うのだと。

彼がそんな話を覚えているはずがないと思っていた。それなのに……彼は本当にそれを実行していたのだ。

しかも、ここに埋めていたなんて。

月城曜はコルクの栓を抜き、瓶の中からその紙切れを取り出した。

長い年月が経っているため、...

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