第229章

彼女はスマートフォンのロックを解除し、『ファミリー・ガーディアン』というアプリを起動した。

彼女を示す光点はマンションの中にあり、彼を示す光点は、そのすぐ真下の階に止まっている。

彼女は画面を軽くタップした。

ピンク色のハート型の吹き出しが彼女の光点からふわりと浮かび上がり、彼を示す光点の上に正確に着地する。

階下で、月城曜のスマートフォンの画面が明るくなり、通知が表示された。

『ご家族の〝姫野理緒〟さんから、〝ハート〟が届きました』

彼は勢いよく顔を上げ、温かな明かりが灯るその窓を見上げた。

カーテンが微かに揺れ、華奢な人影が一瞬だけ過る。

彼は指に挟んでいた煙草を揉み消し...

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