第237章

通話ボタンを押すと、画面には若く蒼白な男の顔が浮かび上がった。背景には、廃れた工場の鉄骨が見え隠れしている。

男はカメラに向かい、病的な笑みを浮かべた。

「月城社長、こんばんは。自己紹介をさせてください。私はジン、『黒川』の創設者です」

月城曜の瞳が瞬時に凍てつく。向かいに座っていた鈴木海斗は、持っていた箸を「カチャン」と床に落とした。

ジンはその反応を楽しむかのように、ゆっくりとカメラの向きを変えた。

画面の中には、鉄製の椅子に縛り付けられ、口にガムテープを貼られた心の姿があった。

小さな体は小刻みに震えている。だが、姫野理緒と瓜二つの瞳には涙はなく、ただ不屈の怒りだけが宿って...

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