第24章

律はその様子を見て、小さな拳をぎゅっと握りしめた。

ママが話したくないのを察し、彼は慌てて話題を変える。

「ママ、安心して。僕が妹を守るから。ママが昔出て行ったのは、きっと何か事情があったんだよね。もう気にしないで!」

彼は小さな手を伸ばしてママの涙を拭おうとしたが、届かない。姫野理緒はそんな彼を抱き上げ、ようやく気持ちを落ち着かせた。

律は言葉を選び、一生懸命に自分の発見を伝えようとした。

「あのね、ママ。パパはたぶん……いろんなことを忘れちゃってるんだと思う」

「忘れてる?」

「うん」

「パパの書斎に、鍵のかかった古い箱があるの。一度こっそり開けたことがあるんだけど、中に...

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