第246章

刃には、暗赤色の、すでに乾ききった血痕が凝り固まっていた。

血痕の下には小さなカードが挟まれており、そこにはプリンターで印字された一行が記されていた。

『お前の手も、血に塗れている』

あっと息を呑んだ小林助手は、顔面蒼白になっている。

姫野理緒の視線は、そのメスの上に三秒間留まった。

彼女の美しい顔に恐怖の色はなく、ただあるのは、無礼な行いに対する静かな怒りだけだった。

彼女はデスクの上のピンセットを手に取ると、慎重にメスを摘み上げ、証拠品袋へと入れた。その手つきは、まるで実験サンプルを扱っているかのように手慣れたものだった。

「警察へ通報して」もはや立っているのもやっとという...

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