第25章

混乱した思考に、あまりにも荒唐無稽な疑念が入り込む。

ありえない。

あの姫野理緒が、これほど手際が良く、棘のある瞳をしたアリスだというのか?

ましてや、あの神業のような医術など。

だが、もし彼女でないとしたら、これら全てをどう説明すればいい?

アリスという名のその女は、まるで深い霧のように、突如として俺の世界に現れたのだ。

……

月城家の本邸。

皇美玲は居ても立ってもいられない様子で、顔には焦燥がありありと浮かんでいた。

「夏実さん、どうしましょう? 先ほど知らせが入ったのだけれど、曜のあの馬鹿息子、どこの馬の骨とも知れない女を自分の療養所に入れたそうよ。しかも警備を倍に増...

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