第258章

彼は一呼吸置き、付け加えた。

「それと、大会の入場券を一枚用意しろ。一般席でいい」

鈴木海斗は主の意図を察し、恭しく一礼して退室した。

月城社長は姫野嬢の『手術』に一切口出しはしない。だが、手術台が世界で最も強固であることを保証し、術後には最大級の花輪を捧げるつもりなのだと、彼は理解していた。

***

三日後、Y市国際展示場。

メイン会場は満席で、張り詰めたような微妙な空気が漂っていた。

前列には各メディアの記者や代理店の代表者が陣取り、好奇心と警戒心が入り混じった表情を浮かべている。

後列には招待された百名以上の『実ユーザー』たちが座っているが、その多くが疑いの眼差しを向け...

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