第36章
心ちゃんも律ちゃんの熱気に当てられたのか、その隣にちょこんと座った。小さな手には赤い積み木が握られているが、それを載せるべきか迷っているようだ。
「心ちゃん、ここ!」律ちゃんが指差す。
姫野理緒はカーペットの向かい側に座り、二人の子供を見つめていた。その眼差しは、無意識のうちに和らいでいく。
「おばちゃん、それ歪んでるよ!」不意に律ちゃんが声を上げた。
我に返った姫野理緒は、今にも崩れそうな積み木へ手を伸ばした。同時に、節くれだった大きな手も伸びてくる。
指先が、不意に触れ合った。
彼の指は熱く、火傷しそうなほどの温度を帯びている。
姫野理緒は感電したかのように、弾かれたように...
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