第38章

律ちゃんは月城曜の足元へ駆け寄り、その脚にぎゅっとしがみついた。

一方、心ちゃんは迷わず姫野理緒の方へと走っていく。

黒崎望は心ちゃんの姿を目にすると、瞳に柔らかな光を宿した。彼はしゃがみ込み、小柄な少女と目線を合わせる。

「心ちゃん、おじさんのこと覚えてるかな?」

心ちゃんは彼を見つめ、それから姫野理緒の顔色を窺った。母親が反対していないのを確認すると、怯えながらも小さく頷いた。

「おじさん、こんにちは」

「いい子だ」

黒崎望は目を細め、その頭を撫でようと手を伸ばした。

だが、大きな掌が彼より一足早く心ちゃんを抱き上げた。

月城曜だった。

彼は片腕で自分の息子を抱き、も...

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