第46章

抑えつければつけるほど、水面下の噂は狂ったように広まっていくものだ。

彼女はスマホを握りしめ、無言で書斎へと足を踏み入れた。

月城曜は通話中だったが、彼女が入ってくるのを認めると、相手に「後でかけ直す」と告げ、すぐに電話を切った。

「写真は見た?」

姬野理緒は単刀直入に切り出した。その声には一片の温もりもない。

「ああ、見たよ」

月城曜は椅子の背にもたれかかり、彼女を見据える。その表情は凪のように静かだった。

「どうして釈明しないの?」

彼女はスマホの画面を彼に向けた。そこには黒崎望とのトーク画面が表示されている。

「私があなたの主治医だという声明文を一つ出せば、騒ぎはすべ...

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