第49章

「悪いが、藤崎社長」

月城曜は藤崎瑛太に対し、口調こそ丁寧だが、その全身からは強烈な侵略性が放たれていた。

「俺のパートナーは、貸し出し不可だ」

藤崎瑛太は一瞬きょとんとしたが、すぐに事情を察したように笑みを浮かべ、軽くグラスを掲げて大人しくその場を退いた。

姫野理緒の背中は、強張ったまま月城曜の胸板に押し付けられていた。二枚の布地を隔てていても、彼から伝わってくる灼熱のような体温と、微かな酒の匂いが肌を刺す。

彼女は身じろぎして逃れようとしたが、拘束は緩まない。

「月城社長、自重してください」

彼女は声を低く押し殺して抗議した。

「取引の一部だ」

月城曜は彼女の耳元で、二...

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