第61章
彼は自らのプライド故に、自分から折れることができなかった。
だが今、息子がその足元に階段を用意してくれたのだ。
「ああ」
たった一言。口にしてから、月城曜自身も唐突だと感じた。
それはまるで、何かに憑かれたような衝動に従っただけだった。
鈴木は傍らで、内心では動揺しているのに平静を装うボスの様子と、若様の「計画通り」といった悪戯っぽい目配せを見比べ、黙って書斎を退出した。
姫野が鈴木からの電話を受けた時、彼女は明日の幼稚園に持たせる心(シン)のおやつを準備している最中だった。
「月城が、先日の非礼を詫びると共に、日頃の感謝を込めて、今夜アリス先生とお嬢様を夕食にご招待したいと申...
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