第8章
だが、理性よりも身体の反応の方が遥かに正直だった。
月城曜は無意識に拳を握りしめた。喉仏が勝手に上下し、呼吸が荒くなる。生理的な反応を見せてしまった自分への滑稽さ、あるいは愚かしさを感じながら。
姫野理緒はもちろん、その変化に気づいていた。
これほど近くにいるのだ、彼のあらゆる変化が手に取るように分かる。
ただ触れただけで、反応した?
姫野理緒は滑稽さと皮肉を感じた。月城曜は不能なのではなく、私、姫野理緒に対してだけ不能だったのだ。
結婚生活の二年間、この男は彼女に対して氷のように冷淡か、あるいは薬を盛られた時だけ彼女を抱いた。
それなのに、身分を変え、顔を変え、情欲のかけらも...
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