第125章

橘詩織は西園寺玲央の冷静な分析を聞きながら、足元から這い上がる寒気が瞬く間に全身を凍りつかせるのを感じた。

ビジネスの世界における競争が熾烈であることは知っていた。だが、その平穏な水面下に、これほどまでに冷酷で、人を食らって骨さえ残さないような残酷さが潜んでいるとは、今の今まで想像だにしていなかった。

復讐のため、あるいは利益のためだけに、人の命を虫けらのように扱い、他人が長年積み上げてきた心血を何のためらいもなく破壊する人間がいるなんて。

彼女は西園寺玲央の横顔を見つめ、胸の内に言葉にし難い複雑な感情が湧き上がるのを覚えた。

恐怖の余韻、彼が駆けつけて救ってくれたことへの安堵。そし...

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