第十四章
「詩織さんは、わしが認めた孫の嫁だ」
祖父は階段をゆっくりと下りながら、その一言で自らの態度を明確にした。
彼は西園寺夫人のどす黒く変わった顔色には目もくれず、ゆっくりとソファに腰を下ろすと、橘詩織に隣へ座るよう促した。
「お父さん!」
西園寺夫人は彼女へのあからさまな庇い立てを目の当たりにし、面目を潰されたと感じた。弁解しようと口を開きかけたが、祖父の鋭い眼光に射抜かれ、言葉を飲み込んだ。
悔しさを滲ませながらも、どうすることもできない。
祖父の後ろに立つ橘詩織は、その庇護を前にして唇を震わせた。離婚するつもりであることを、どう切り出せばいいのか分からなかったのだ。
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