第146章

視界がぐるりと回り、次の瞬間、橘詩織は休憩室のベッドに組み敷かれていた。

男が覆いかぶさってくる。詩織は心臓が凍りつくような悪寒を覚え、反射的に足を振り上げて蹴り飛ばそうとした。

だが、西園寺玲央の反応は速かった。素早く片手を伸ばし、彼女の細い足首を万力のように捕らえる。

澱んだ瞳が、警戒心を剥き出しにする彼女を見下ろしている。

暖色系のベッドライトに照らされ、橘詩織はベッドの隅へと縮こまる。乱れた髪、激しい抵抗で崩れたシャツの襟元からは、華奢で頼りなげな鎖骨が覗いていた。

顔色は蒼白だが、その瞳だけが異様なほどの輝きを放っている。そこに睡魔の欠片はなく、あるのは氷のような拒絶のみ...

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