第165章

会議室は、死のような静寂に包まれていた。

全員が目を見開き、テーブルの上に置かれたその書類を凝視している。己の目が信じられないといった様子だ。

まさか西園寺会長が、本当に株式を譲渡するとは。それも、彼らが鼻にもかけていなかったこの若造の女に。

西園寺グループの株式二パーセント。それは何を意味するか。グループの中枢である意思決定機関に入り込み、巨額の配当を得るための通行手形だ。

ましてや、この城西支社という小さな箱庭においては、絶対的な権力を意味する。

彼女はもはや、根無し草の落下傘部隊ではない。実権を握り、正当な権利を持つ経営者の一人なのだ。

先ほどまで威勢の良かった安崎部長は土...

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