第178章

西園寺玲央との個人的なわだかまりはさておき、両社の社員が合同で親睦会を行い、あらかじめ交流を深めておくことは、今後のプロジェクト推進において百利あって一害なしだ。

そう判断すると、彼女はグラスを置き、支配人に向かって微笑んだ。

「それでは、手配をお願いします」

「いえいえ、とんでもございません。皆様、こちらへどうぞ」

支配人は慌てて身を翻し、恭しく案内を始めた。

橘詩織は、まだ少し状況が飲み込めていない自社のチームメンバーに向かって頷いてみせる。

「みんな、荷物をまとめて。場所を移すわよ。リラックスして、本社の同僚と顔見知りになるいい機会だと思って」

橘詩織はクラッチバッグを手...

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