第十八章

橘梨乃は首に青筋を立て、万力のような力で腕を引いてくる。橘詩織は不意を突かれて数歩引きずられたが、ようやく母の手を振り払った。

詩織が反抗するとは思っていなかったのだろう。橘梨乃は感情のタガが外れたように、金切り声を上げた。

「橘詩織! レオさんと復縁しなさい!」

「離婚したら、橘家のビジネスがどうなるか考えたことがあるの?」

「お父さんとお母さんが長年注いできた心血を、どうするつもり?」

「この縁談はね、私たちがどれだけ苦労して手に入れたと思っているの。それを、いらないからって捨てるつもり?」

「どうしてそんなに身勝手なの!」

橘梨乃の顔は怒りで赤く染まっていた。

娘が離婚...

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