第201章

夜の帳が下り、西園寺玲央は掃き出し窓の前に立ち尽くしたまま、しばらく動こうとはしなかった。

眼下の街の灯りがガラスに映り込み、彼の姿に斑らな陰影を落としている。窓枠を叩く指先のリズムは緩やかだが、そこには確かな力が込められており、まるでこれから下すべき決断の重さを量っているかのようだ。

手元のスマートフォンの画面は点灯したままで、先ほど届いたばかりの調査報告が表示されている。

――三水真司という男。

彼は清水千尋が意図的に手引きして橘詩織の会社へ履歴書を送らせた人物、つまり、清水千尋が橘詩織に紹介した男だということが判明していた。

「……清水千尋か」

西園寺玲央の指が止まる。低く...

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