第214章

西園寺玲央は終始無言で、水を打ったように静かな面持ちで聞き入っていた。

西園寺快の滑稽なピエロのような猿芝居を冷ややかに見つめ、思わず鼻で笑う。

快の放ったその言葉の刃は、偽造された合意書などよりも遥かに鋭く、人の心を抉るものだと知っていたからだ。

張り詰めた空気が漂う中、会議室のドアが控えめにノックされ、すぐに押し開かれた。

法務部長が神妙な面持ちで入室し、その後ろには分厚いファイルを手にした二人の助手が続く。

入り口には警備主任も姿を現し、西園寺玲央に向かって恭しく会釈をした。

その場の全員の視線が、一瞬にして彼らに注がれる。

法務部長は玲央のそばに歩み寄ると、身を屈めて二...

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