第216章

「俺の声が聞こえて、さぞ驚いたろう? お前の手下どもも動きは早かったが、残念ながら一足遅かったな。お前の大事な愛しい女は、今、俺の手の中だ」

西園寺玲央の手が瞬時に握りしめられたが、声だけは無理やり冷静さを保っていた。

「西園寺快、何が望みだ?」

「何が望みだと?」

西園寺快の声は興奮で歪んでいた。

「俺を解放しろ。今すぐにだ。お前の手下を退かせろ。ガソリン満タンの車と現金百万を用意して、城西の第3埠頭に置いておけ。三十分以内だ。車と金を確認できなければ……」

彼はわざとらしく言葉を切った。電話の向こうから、橘詩織の苦痛に満ちた、くぐもった呻き声が漏れ聞こえてくる。

「……彼女...

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