第218章

橘詩織には、こうなることが分かっていた。

彼女は手元のスマートフォンを操作し、人々の前でビデオ通話をスクリーンに投影する。

数秒後、回線が繋がった。

大画面に映し出されたのは、病院のVIP病棟の光景だ。

ベッドに半身を起こした西園寺振邦は、身体中にモニターのケーブルを繋がれ、顔色は土気色でやつれ切っている。口元には麻痺による歪みが残っていたが、その瞳には確かに理性の光が宿っていた。

傍らには看護師が立ち、スマートフォンを持つのを支えている。

総帥の姿を目にした瞬間、役員たちは衝撃を受け、慌てて居住まいを正した。

西園寺振邦は力を振り絞って唇を動かした。その声は掠れ、ひどく聞き取...

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