第34章

彼女の激昂とは対照的に、西園寺玲央はただ冷ややかな一瞥をくれただけで、スマートフォンを差し出した。

「これを見ろ」

西園寺玲央は視線で明るくなった画面を示した。その表情からは感情が読み取れないが、瞳だけは彼女を射抜くように凝視している。

彼は、怒っているのか?

怒りのあまり、橘詩織の口から乾いた笑いが漏れた。

先に理不尽に追い詰めてきたのは西園寺玲央の方だというのに、今さら私に対して怒りを露わにするなんて。一体どういうつもりなのか。

橘詩織は腹の底から湧き上がる怒りを抑え込み、眉を顰めながら二歩近づいて携帯を受け取った。

画面に表示されていたのは、あるネットニュースだ。相変わら...

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