第38章

一連の動作を終え、橘詩織は自らの頬をパンパンと叩いた。強引に頭を覚醒させ、仕事を続けるためだ。

その時、オフィスのドアが控えめにノックされた。

彼女が音のした方へ視線を上げると、アシスタントが笑みを浮かべ、忍び足で入ってきた。

「チーフ、割り振られたラフ画の修正が終わりました。確認をお願いできますか?」

原稿をデスクに置いた後、彼女は堪えきれずにあくびを噛み殺し、その目尻には涙が浮かんでいた。

「お疲れ様。もう上がって休んで。残りのことはまた明日でいいから」

橘詩織は微笑んだが、その瞳の奥には隠しきれない疲労が滲んでいた。

その言葉にアシスタントは頷き、踵を返して部屋を出ようと...

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