第40章

西園寺玲央の体が強張る。視線がその診断書の入った封筒を捉えた瞬間、顔色が恐ろしいほどに曇った。

もちろん、中身が何かは分かっている。いや、見当がついていると言うべきか。

わけのわからない苛立ちが込み上げてくる。彼は目の前で自分を真っ直ぐに見つめる女を、複雑な感情を宿した瞳で見据えた。

彼女と別れるなど、考えたこともなかった。まるで二人が結ばれるのは、天命であるかのように信じていたからだ。

「離婚なんて言葉、二度と口にするな」

しばらくして、彼は低い唸り声を上げると、目の前の女の華奢な清瘦な肩を、抗う隙も与えずに掴んだ。

次の瞬間、驚愕に見開かれた橘詩織の唇を、乱暴に塞ぐ。

その...

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