第42章
モニターの規則的な電子音が鼓膜を打ち、重苦しい空気が胸を塞ぐ。
数秒の沈黙の後、西園寺玲央が声を潜めて言った。
「設計図ならもう送らせた。医者の話じゃ軽い脳震盪と栄養失調だそうだ。大人しく休め」
その言葉を聞いて、橘詩織の中で張り詰めていた糸がようやく緩んだ。目を覚ました時、自分がどれくらい昏睡していたのか分からず、高田社長との約束の時間を過ぎてしまったのではないかと気が気でなかったのだ。だが、西園寺玲央のその一言で、ひとまず安心することができた。
安堵した途端、麻痺していた痛みが倍増して四肢百骸から湧き上がり、橘詩織の顔色は再び紙のように白くなった。
彼女は極めて小さく頷いた。痛...
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