第58章
橘詩織は受話器を握りしめたまま、信じられないといった面持ちで目を見開いた。
彼女と西園寺玲央が離婚するという噂は、すでに世間でまことしやかに囁かれている。父がそれを知らないはずがない。
この期に及んで、西園寺玲央を実家に呼んで食事をしろとは、一体どういうつもりなのか。
それに、どの面を下げて呼べばいいというのか。
仮に西園寺玲央が承諾したとして、彼はどのような立場で橘家の敷居を跨ぐのだろう。
彼女の元夫としてか、それとも橘商事の取引先である西園寺社長としてか。
橘詩織は一度きつく瞼を閉じ、ズキズキと脈打つこめかみを押さえた。頭痛を堪えながら、絞り出すように声を上げる。
「彼を呼...
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