第60章

それから間もなくして、一台の車が乾いたブレーキ音を響かせ、橘詩織の目の前でピタリと停まった。

ドアが勢いよく開け放たれ、親友の清水千尋が転がり落ちるようにして車から降りてくる。

肩で切り揃えられた鮮やかな金髪、シンプルな黒のTシャツにデニムのショートパンツ。その美しい瞳には、焦燥と怒りの色が入り混じっていた。

「橘詩織! あんた、私を心配死させる気!?」

清水千尋は大股で駆け寄り、張り上げた声で怒鳴りつける。

「なんでまた高速なんかで降りてんのよ! ここがどれだけ危ないか分かってんの? 西園寺玲央はどうしたわけ? あんたを一人でこんなところに置き去りにしたって言うの!?」

機関銃...

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