第8章 一生君を守ると誓う

相葉詩礼視点

蝶番が軋むほどの勢いで、バスルームのドアが爆発するように開け放たれた。怒りに顔を歪ませた樋川夜が嵐のように踏み込んできた。

「このクソアマが!よくも俺を裏切ってくれたな!」

震える指からガラスの破片が滑り落ち、床で砕け散った。樋川夜の瞳が狂的な怒りで燃え上がっている。何年も前の額の傷跡が、照明の下で紫色に脈打っていた。

髪を掴まれ、目の前に火花が散るほどの力で引き上げられる。

「五年だ!クソみてえな五年、てめぇを待ってやったんだぞ!」

その声は純然たる毒だった。

「またあのチンピラのところに逃げ込むだと?」

「放して!このイカれた変態!」

樋川夜は...

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