第10章 千葉峰

千葉椿は首を横に振った。

「まさか。あんなジジイ、年寄りで不細工で……背も高くて格好よくて、しかも凛々しいあなたと比べられるわけないじゃないですか。私が戻りたいのは、まだ学生だからです。もうすぐ卒業発表で、卒業制作が全然仕上がってなくて……ねえ、あなたも、卒業証書すら取れない金糸雀を飼うなんて嫌でしょう?」

「言いたいことはわからなくもないな」

羽鳥紅蓮は小さく頷き、いちおう納得した様子を見せた。

「でしょ? 私ひとりでここにいて、毎日なにもせずにいたら、人って気が滅入っちゃうんですよ。そしたら、うつとかになったら――」

羽鳥紅蓮はじろりと睨んだ。

この娘が、うつ?

「帰してや...

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