第20章 弟を助けに行く

「弟を……助け出す」

「弟?」

羽鳥紅蓮は怪訝そうに眉を寄せた。「中にいるのか?」

彼は病室のドアを指さす。

千葉椿はこくりとうなずき、分厚い札束を取り出した。

「賄賂でも渡す気か?」

千葉椿は睨み返す。

「余計なお世話」

そう言い捨てると、今度はバッグからスカーフを引っぱり出し、顔全体を覆った。露出しているのは、ぱちぱちと瞬く大きな瞳だけ。

準備を整え、千葉峰の病室の前までそっと寄る。

そして――札を高く掲げ、ばら撒いた。

ひらひら、ひらひら。

紙幣が雪みたいに舞い落ちる。

入口に立つ二人の用心棒は、金が落ちてくるのを見るなり反射的に腰を折り、手を伸ばして拾い始め...

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